★2015年5月に発覚した東芝の不正会計問題。課徴金や株主集団訴訟等、現在になっても落ち着くことがなく、株価も今後大きく可能性があります。2017年3月期決算では債務超過になることが決定的で東証2部に降格することがほぼ確実となりました。果たして今後どうなるのか?
(2017年2月15日更新)
東芝は2016年12月第三四半期決算の延期を申請、4,999億円の債務超過になるとの方向、そして、三菱UFJが空売りを仕掛けるなど、株価も暴落中です。
では、今の東芝の株は割安なのでしょうか。それとも、さらなる悪材料、訴訟の結果等でさらに株価が下落するのでしょうか。
投資のチャンスとなりうるのか、投資方法についても併せて検証してみたいと思います。
目次はこちら
東芝不正問題で株価下落中 直近の株価推移
まずは東芝(6502)の株価の推移をみてみましょう。
不正が発覚する前の2015年5月までは株価が500円台までありましたが、不正発覚後、ずるずる下がり、一時は300円を割るところまで下落しています。
一時反発があったものの、また訴訟のニュースなどが取り上げられると下落しています。
2015年12月22日追記:事業売却、リストラ案が発表され株価はさらに下落。220円まで下げています。
2017年2月15日追記:2016年12月第三四半期決算延期の発表、4999億円の債務超過、原発事業の減損、UFJの空売りで株価が急落しています。
一時は450円を超えていてた株価も決算発表が近づくにつれて大きく下落しました。現在は200円を割っています。
東芝の決算は延期が発表され、ちょっとただごとではない状態になっています。株価下がっているとはいえここで手を出すのはかなり危険と感じています。
東芝の株価の今後の見通し 投資のチャンスとなるか?
では、東芝の株価は今後どうなっていくのでしょうか。
【2015年~2016年時点】
不正問題自体の悪材料は恐らく出尽くしたようで、今後新たに過去の売上の水増し等の不正が発覚する恐れはなさそうです。
ですが、2015年12月現在において73.7億円の課徴金が金融庁より勧告され、さらには株主による集団訴訟も行われるとういうニュースがあり、結果によっては株価に影響が及んできそうです。
参考サイト:東芝不正会計 課徴金、訴訟…負の連鎖「再生」遠い道のり(毎日新聞)
まだまだ、予断を許さない状況ではあります。
では、投資の観点から見ると東芝の株は投資のチャンスとなりうるでしょうか。
現在の状況から見ると、上場維持はほぼ確実のようです。ですので、買いから入っても紙くずにはならないと予想されます。
ただ、さらに株価が急落するリスクはあります。今後も以下のリスクが想定されます。
- 株主集団訴訟による損害賠償金の増大
- 監査法人交代により決算遅延、新たな不正発覚リスク
- 金融庁より課徴金(2015年12月時点 73億円納付命令済)
- 上場廃止(可能性は極めて低い)
今後株価が下落すると想定してした場合、買いではなく、売りから入るといった方法も考えられます。
【2017年2月時点】
相次ぐ不正の発覚、第三四半期決算の延期発表、債務超過4999億円、原発事業減損、UFJの空売りなど、かなり緊迫した状態が続いています。
株価が底打ちして上がると想定した場合
では、東芝の株は買うべきか、空売りすべきなのか、見てみましょう。
過去のオリンパス(7733)のように不正問題が一服したのち、株価が一気に回復する可能性があります。
オリンパスは2011年11月に不正が発覚し、一時株価は424円まで下げましたが、その後、不正の被害が大きくないということがわかり、株価は回復、アベノミクスも重なって2015年は5,000円に到達する勢いです。
結果論にはなりますが、不正時に買っておけば約10倍もの値上がり益をえることができました。
東芝はどうでしょうか。オリンパスよりも不正ニュースが落ち着かず、まだまだ本格的に株価が回復するのには時間がかかりそうですが、不正問題が一服すればまた回復することが予想されます。
2017年2月追記
ただ、これは2015年不正発覚時の話なのかもしれませんね。実際に2015年の下落時に買っておけばかなり利益を得ることができたでしょう。
ただ、現在は決算延期、債務超過の状態です。ここで買うということは相当リスクが高い気がしますね。買うにしてもシャープのように落ち着いて、上場廃止の可能性がほぼなくなったときに狙うのがいいでしょうね。
株価がさらに下落すると想定した場合
では、さらに株価が下落すると予想した場合はどうでしょうか。
東芝はかなり力のある企業ですので、今回の不正だけでは上場廃止とまではいかないとは思います。ただ、可能性はゼロではありません。
監査法人である新日本有限責任監査法人にも業務改善命令、課徴金、最悪の場合、業務停止命令さえも下さられる可能性があります。調査の中で東芝と監査法人との間に癒着があると判断されて場合は金融庁は東芝に対しても監査法人に対してもさらに重い処分を下す可能性があります。
実際に上場廃止にならないにしても、上場廃止の可能性がニュースで取り上げられたりすると株価が大きく下げる可能性があります。まだまだ予断を許さない状況です。
下がるまで待って買うというのも一つですが、空売りをして、下落時にも利益を得るという方法があります。
2017年2月追記:実際に三菱UFJモルガンスタンレー証券が東芝株の空売りを仕掛けているようです。悪材料はまだ出尽くしていないようですね。
日本から海外まで個別株も取り扱っているサクソバンク証券のCFD口座
CFDとはある一定の証拠金を口座に預けておき、その残高のレバレッジの範囲内(1倍~5倍)で取引をする差金決済取引です。FXもCFDの一種でCFDを為替に限定したものがFXです。
CFDは信用取引とは違い、1株からでも取引ができ、レバレッジも5倍まで可能、そして、信用売買の規制をあまり受けないというメリットがあります。手数料も片道0.054%で最低手数料が108円と手数料も信用取引より安い場合がほとんどです。
CFD取扱会社で個別株銘柄を取り扱っている業者はサクソバンク証券です。
サクソバンク証券のCFD口座であれば、東芝などの個別株も取り扱っています。
以下、実際の取引画面を見てみましょう。
上記キャプチャ画像の通り、CFD口座であれば東芝の株も1株から取引ができますので、少額からでも取引ができます。
ただし、手数料は片道0.054%とそれほど高くはないのですが、最低手数料が108円しますので、あまりに少額な取引をしてしまうと手数料で損をしてしまいますので、ある程度の取引規模が必要です。
CFDのメリットはレバレッジが5倍まであるという点(信用取引は3倍程度)、信用取引とは違い無期限で保有できるということ、1株からでも取引ができるということ、また外国株も豊富に取り扱っており、VW(フォルクスワーゲン)などのドイツ株も取り引きができるというのも利点です。
参考:VW(フォルクスワーゲン)の株を買う方法【不正で株価暴落は投資のチャンスか?】
また、信用取引の場合、株価が大きく動き売りの需要が増えすぎると信用取引新規売買停止になることがあります。ですが、CFD口座であればほとんどの場合、売買規制は入りませんので、投資のチャンスを逃さないためにもCFD口座を持っておいてもいいでしょう。
東芝不正問題で株価暴落中!買うべきか?空売りすべきか? まとめ
以上、東芝不正問題と投資の方針について検証してみました。
オリンパスのような事例もありますので、大きく下げた場合、買いを入れるというのも一つ考えられます。
さらに株価が下落すると想定する場合、CFD口座で空売りするという方法も考えられます。空売りする場合は信用取引よりCFD口座がお勧めです。
CFD口座であれば
- レバレッジが5倍まで上げることができる
- 期限なく保有し続けることができる
- 手数料も比較的信用取引より安くなるケースが多い
- 1株から取引することができる
- ドイツ株、米国株などの海外株も手軽に取引することができる
- 原油先物、商品先物、株価指数先物、債券先物も利用できる
以上のようなメリットがあります。
CFDはなかなか馴染みがありませんが、使い方によってはかなり便利ですので、これを機に挑戦してみるのも投資のチャンスを広げるきっかけになるかもしれませんね。
以上、あくまで個人的な見解を述べたものですので、投資は自己責任でお願いいたします。