昨年からループイフダン系サービスと呼ばれるものが大流行の兆しとなっています。
このループイフダンというのは正確にはアイネット証券のサービスの名称になってしまいます。
ループイフダンとは要するに通常のイフダン注文をループ上に何回もしかけることができるサービスのことです。
この仕掛け方に各社特許がありますし、トレール方式でシステムが追いかけてくれるものも登場して人気を集めているのです。
目次はこちら
そこで、今回はこのループイフダンについて、各社の特徴、評判等をまとめてみたいと思います。
いまなぜループイフダンが人気なのか?
こうしたサービスの火付け役はずばり評判の高いマネースクエアのトラリピの存在があります。
最近ではこの「トラリピ」を1クリックで簡単発注できる「トラリピ1クリック」というサービスもリリースされており、人気が高まっています。
(マネースクエア公式サイトより抜粋)
マネースクエアではこの仕組みを加入者の7割以上が利用しており、ますますトラリピの評判が高まっているようです。
最近では手数料無料化も始まっており、より利用しやすくなっているようですね。
一見、シストレのように見えますが、イフダンというのは上に行くか下にいくかしかない為替の世界でどちらかに行った場合にさらにその先いくらで利益確定し、逆にいくらで損切りするかを事務的に設定できるところが大きな魅力となるわけです。
ただし、このトラリピの会社は取引コストがきわめて高く、ドル円でスプレッド3銭(変動)ですから、気軽にスキャルピングなどができるところではありません。
※トラリピ等の自動売買の問題点は「トラリピ等の自動売買FXのリスクとおすすめできない理由について」の記事に書いていますので参考に。
しかし、それでもこれだけコンスタントに顧客が集まるところにこのループイフダンの魅力があると言えるのです。
結局シストレ(自動売買)のストラテジーはよくわからない?
鳴り物入りでスタートしたシストレの自動売買ですが、ロシアのシェアウエアMT4を使ったサービスは既に昨年9月にいち早く導入したはずのマネックスFXが辞めてしまいましたし、2015年3月でYJFXもサービスを終了することになりました。
やはりサーバーを借りて自分で管理しないと自動売買にならないというのは時流にあっていないのでしょう。
2015年1月にはアルパリがスイスフランショックで消えましたし、倒産はまぬがれたものの、月次で口座維持管理手数料を急にとりはじめたFXCMで積極的にMT4を利用しようという顧客も限定的でMT4勢はかなり劣勢になってきているといえます。
一方、イスラエルのトレーデンシー社のミラートレーダーを利用したシストレのほうは、業者のサーバーにセットするだけです。
そのため、簡単に設定して利用できるのですが、とにかく先週まで調子のよかったはずのストラテジーが翌週猛烈な含み損をかかえるといった激しいドローダウンに見舞われることが多いようです。
5つぐらいのストラテジーをセッティングして動かしていくと必ずその中の1つや2つが大きな損失を出していって来いのような状況に陥ることになり、かなりその利用に疲弊している顧客が増えていることから結構なボリュームがループイフダンのほうに乗り換えてきているようにも見えます。
シストレのストラテジーは決して高度なアルゴリズムで動いているわけではない
ヘッジファンドの高速取引やアルゴリズム(業界では通称アルゴ君などと呼ばれていますが)の場合にはニュースのヘッドラインの言葉に反応したりイベントドリブン型の設定で仕掛けの売買を行うことが大きな特徴となっています。
シストレのストラテジーはせいぜい2つか3つ程度のテクニカルチャートの売買シグナルで動いているだけなので、大幅な市場の変化には対応できないのが大きな問題となります。
したがって1月15日のスイス中銀の介入ギブアップ宣言の直後にはかなりシストレで損失を抱えてしまった方も多いのではないでしょうか?
レーシングカーにはKILL SWITCHと言ってレースカーが破損したりコースアウトしたときにいきなりガソリンの供給をとめて物理的にエンジンを停止させる装置がありますが、そういう仕組みがシストレにも必要なのではないかと思います。
ループイフダン系業者比較
市場ではトラリピを追う形でいくつものサービスがスタートしています。
では、各社の特徴を見ていきましょう。
YJFXリピトレの特徴
名前のつけ方からしてトラリピを意識しているのがYJFXのリピトレです。
こちらも独自特許をとっているようですが、トラリピと大きく異なるのは売りも買いにも1回の設定でとれることでレンジ相場の場合には往復利益を取れることになるのが魅力です。
ただし、トラリピのように複数のしかけをすることができないので次々利益を出していく魅力には欠けるものとなります。どちらがいいのかは利用者次第ということになりますね。
アイネット証券ループイフダンの特徴
これが一番分りやすいものですが、トラリピと同じような動きをしますが、最大の魅力はスプレッド以外に手数料がかからないことです。
したがって非常に利益が出やすいものとなります。
仕組み的にはまさに通常のイフダンをループ上にいくつも設定できるものなのでアイネット証券でもこの仕組みの利用者は多いようです。
ひまわり証券ループイフダンの特徴
ひまわり証券はご存知のない方も多いと思いますが、ISグループの企業でアイネット証券とは同じグループに属することからアイネットよりシステムをキャリーオーバーして同じループイフダンが利用できるようになっています。
したがって中身は同じですが、問題はひまわり証券でこの仕組みを使うと投資助言料という名目でシステム利用料がかかることです。したがってこの仕組みだけを利用するのならばあえてひまわり証券を利用するメリットが感じられない残念な状況となっています。
外為オンライン iサイクル注文の特徴
外為オンラインが投入したiサイクル注文もトラリピをかなり意識したものです。
この仕組みには一応一定のアルゴリズムが組み込まれており、素人ではなかなか判断しにくい通貨ペアのレンジ幅を自動で感知してくれ、どの幅で仕掛けをしたらいいかを自動的に設定してくれるのが大きな魅力です。
こちらも取引手数料をとられますからこうした自動設定があれば少なくとも逆ザヤにはならない利益設定ができるのが魅力となります。
FXブロードネット トラッキングトレードの特徴
FXブロードネットから登場したのがトラッキングトレードです。
随分とまたiサイクル注文に近い仕組みだと思っていたところ、なんと外為オンラインから供与を受けている仕組みだそうで中身はまったく同じです。
まあその位この手のサービスに人気が高まっているということが分ります。
インヴァスト証券 トライオートFXの特徴
昨年の春に登場してから爆発的な人気を誇りこれのために6万口座も新規口座開設されたというのが、このインヴァスト証券のトライオートFXですが、すでに今年の1月にリニューアルになりトライオートFXとしてさらにサービスレベルが高まっています。
こちらは刈り取り方を事前にセットしたいくつものパターンから選ぶことができ、しかも途中で裁量取引で適当に刈り取ることもできるというなかなかのものに仕上がっています。
JNB 連続イフダンの特徴
JNBでは連続イフダンとして9つ連続設定のできるイフダンが利用できます。こちらも一応自動の繰り返し設定もできるようですが、通常のイフダンの世界なのでコストが特別にかからないのが大きな魅力です。ある意味ではこれが最もシンプルとも言えます。
ループイフダン業者スプレッド比較 コストが最大のポイント
さて、このようなループイフダン系のサービスですが、実は無料ではありません。
FX会社名 | ドル円 | ユーロ円 | 豪ドル円 | ポンド円 | 南アフリカ ランド円 | メキシコペソ円 | トルコリラ円 | 取引手数料 |
トラリピ | 3銭前後 | 5銭前後 | 6銭前後 | 8銭前後 | 3銭前後 | 3銭前後 | 6銭前後 | 無料 |
アイネット証券 | 2銭 | 3銭 | 4銭 | 5銭 | 7銭 | 7銭 | 7銭 | 無料 |
インヴァスト証券 | 0.3銭 | 0.5銭 | 0.6銭 | 1.0銭 | 1.8銭 | - | 5.5銭 | 1万通貨未満:片道20円(対外貨は0.2外貨) 1万通貨以上10万通貨未満:片道10円(対外貨は0.1外貨) 10万通貨以上50万通貨未満:片道5円(対外貨は0.05外貨) 50万通貨以上:無料 |
ひまわり証券 | 2銭 | 3銭 | 4銭 | 5銭 | 7銭 | - | - | 無料 |
YJFX | 0.2銭 | 0.5銭 | 0.7銭 | 1.0銭 | 1.3銭 | - | - | 無料 |
外為オンライン | 1.0銭 | 2.0銭 | 3.0銭 | 3.0銭 | - | - | - | 片道手数料20円 |
FXブロードネット | 0.2銭 | 0.5銭 | 0.6銭 | 1.0銭 | 16.4銭 | - | - | 20円/1,000通貨 |
JNB | 2銭 | 3銭 | 4銭 | 5銭 | - | - | - |
ご覧の表のように 各社それなりに利用コストがかかるのが大きな問題です。
トラリピ、アイネットとJNBはスプレッドだけですが、それ以外の各社は投資助言料という名目で取引手数料がスプレッドの上に乗っかってくることになります。
果たしてこれで利益がでるのかということになりますが、そこそこの幅の広さのレンジ取引でないと刈り取れないことが見えてきます。
それでもブラックボックス化しているシストレの自動売買よりは何が起きているのか掌握しやすいので、高い人気を維持するようになっているのでしょう。
実際に役にたつのか立たないのかはとにかく一度試してみるのが一番ではないかと思います。
わかりやすさ、多機能性からもアイネット証券、もしくは、インヴァスト証券のトライオートFXがおすすめですね。