★円高、株価暴落に備えた投資としてFXでユーロ円売り(ショート)は有効です。
ユーロ円売りは米ドル円と相関関係があり、かつ、長期保有してもマイナススワップが発生しないのが魅力です。
円高に備えた投資としてユーロ円売りを実践してみましたので、その手法と結果を解説いたします。
ども。投資軍師のかんべえです。
円高に備えた投資として、何が一番いいのか?
ベア系のETFや金に投資する、もしくは米ドル円を売るのがいいのか?
と、色々考えた結果、FXでユーロ円の売りであれば、
スワップを受け取りながら暴落時も稼げる
のではないかと思い実践してみました。
実際に円高に備えた投資として効果があったのか?見ていきましょう。
目次はこちら
円高対策の必要性について
長期的に投資で収益を上げるために「円高対策」は必要です。
やはり長い歴史を見ても暴落は必ずきます。
現在はドル円は105円~110円あたりを推移して比較的安定していますが、いつ大変動がおきるかわかりません。
過去10年のドル円チャートを見てみましょう。
(出典元:SBI証券ドル円10年チャート)
2010年から2020年までのドル円チャートです。
2012年アジア通貨危機の時は80円を割るほど円高になっていました。
2020年ではコロナショックで一時101円まで暴落しました。
そして現在は110円前後、またいつ円高になるかわかりません。
直近で大きく円高になった英国EU離脱時を見てみましょう。
【2016年英国EU離脱時の暴落 110⇒99円】
2016年からの1年間のドル円チャートです。
1年の間にも大きく動きます。EU離脱時には100円を割っていますし、トランプ政権誕生後は120円近くまで戻していて、また110円あたりまで下落しています。
【2019年ドル円フラッシュクラッシュ 110円⇒104円】
また、2019年は年初のドル円フラッシュクラッシュで110円から一気に105円割れという暴落もありました。
2019年8月でも米中貿易摩擦による105円割れ等、乱高下が続いています。
【2020年コロナショック 110円⇒101円】
2020年3月コロナショックの影響もあり、ドル円は一時101円台まで暴落しました。
その後、米国緊急利下げ、世界的な金融緩和によりドル円は回復しています。こちらも一時的な大暴落でした。
※また、2021年1月もドル円は102円まで下がっており、その後、回復しています。
以上、円高暴落は定期的に起きます。円高時に備えた投資をしておく必要性があることがわかります。
円高対策としてドル円売りはおすすめできない
ただし、円高対策としてドル円売りはおすすめできません。
FXでドル円(USD/JPY)を売る、すなわち、ドルを売って円を買った場合、確かに円高時には利益を得ることができます。円高対策になります。
ですが、ドルの方が円より金利が高いため、長期に保有すればするほど、スワップ金利を支払う必要があります。
円高に備えた投資としてドル円売りはわかりやすいのですが、長期的なコストが発生していまいます。
いつ円高になるかわかりません。長期でショートポジションを保有する可能性があり、ドル円売りはリスクが高くなってしまいます。
円高対策はユーロ円売りがおすすめ
ドル円売りで円高対策をすると、スワップ金利を払い続けなければならないので、長期の戦略には向いていないと感じました。
そこで、ユーロ円(EUR/JPY)売りを思いつきました。
ユーロはマイナス金利政策をとっており、ユーロ円売りの場合、スワップ金利はプラスになることが多いからです。
つまり、ユーロ円売りならスワップを受け取りながら暴落対策もできるというわけです。
では、ユーロ円チャートを見てみましょう。
【ユーロ円チャート2010年~2020年】
(参照元:SBI証券ユーロ円チャート)
2011年から10年間にわたるチャートですが、ドル円チャートと比較してもユーロ円は相関が関係があることがわかります。
2016年の英国EU離脱時は大きく下がっています。
2019年ドル円フラッシュクラッシュ時なども、基本は暴落があると大きく下がる傾向があります。
【ユーロ円チャート2016年英国EU離脱時】
こちらが2016年1年間のユーロ円チャートです。
EU離脱時の6月やトランプ政権誕生時の11月ではドル円と同じく、大きく円高になっており、ドル円とも相関関係があります。
【ユーロ円チャート2019年ドル円フラッシュクラッシュ時】
さらには2019年のドル円フラッシュクラッシュ時も大きく下げています。126円⇒119円割れまで下げています。
【ユーロ円チャート2020年コロナショック時】
コロナショック時もドル円ほどではありませんが大きく下げています。
つまり、円高暴落が来ると、ユーロ円もしっかりと下がってくれるというわけです。
そのため、円高に備えてユーロ円売りを入れておくことで円高時に利益を得ることができます。
そして、ユーロは円より金利が低いため長期で保有しても基本はマイナススワップが発生することはありません。
円高に備えるために保有コストのかからないユーロ円売りのポジションを保有しておくことがコストもかからず、効果的な方法だと気づきました。原油投資ってどうやってすればいいのですか?
円高対策ユーロ円売りFXの実践方法
では、実際に円高に備えてFXでユーロ円売りをする方法をみていきましょう。
円高対策ユーロ円売りのやり方
- FX口座を準備する(ユーロ円売りのスワップがプラス・最小取引通貨単位が低いみんなのFX、SBI FXトレードがおすすめ)
- 取引単位は100ユーロ~1,000ユーロ単位で資金力に合わせる
- 円安時にユーロ円売りの指値注文をしかけておく(0.2円~0.5円の値幅)
- ユーロ円売りの注文が約定したら円高になるまで保有する(レバレッジは2倍以内)
- ユーロ円が0.5円~2円ほど円高となってきたらユーロ円売りを決済していく
- 次の円安に備えてユーロ売り注文をしかけておく
- 以上を繰り返す
以下、より具体的に解説していきます。
- STEP1FX口座を用意するまずはFX口座を準備します。長期保有を想定してできるだけレバレッジを低く抑えて投資するためにも最小取引通貨単位が小さいものを選びます。さらにはユーロ円売りのスワップ金利がプラスの口座を選びます。
後述しますが、おすすめ口座はSBI FXトレード、みんなのFXです。
- STEP2ユーロ円売り指値注文をしかけておく
円高対策のためには円安時にユーロ円売りのポジションを増やしておきます。
レバレッジは2倍以内に抑えつつ、0.2円~0.5円ユーロ高になってきたら、売り注文を入れるようにしています。
注文の一例です。(2019年10月20日ユーロ円が121円のとき)
このように300ユーロずつ、ある程度の値幅間隔でユーロ円売り指値注文をしておきます。
無期限注文ですので、一度注文しておけば、ほったらかしで大丈夫というわけです。
300ユーロ=約36000円ほどです。
口座の資金と兼ね合いで、仮にユーロ円が大きく上がってレバレッジが2倍を超えないような感じで、口座の入金額を調整するようにしていますね。
- STEP3
- STEP4円高となればユーロ円売りを決済して利確していく円高暴落となり、ユーロが下がってきたら、決済注文が約定していき利益が出てきます。ドル円フラッシュクラッシュのように一時的に大暴落するときもありますので、できるだけ指値注文は下値まで設定しておくのをおすすめします。
- STEP5再び円安になるのを待ちながら売り指値注文をしかけておく
円高ユーロ安となり、ある程度のユーロ円のポジションを決済出来たら、また次の円安に備えて売り注文をしかけておきます。
結局、裁量トレードとはなりますが、レバレッジを低くしておけば、ユーロが大きく上がっても強制ロスカットはされませんので、堅実に繰り返します。
- STEP6以上を繰り返す
レバレッジを2倍以内に抑えつつ、円安ユーロ高となればユーロ円売りのポジションを増やしていき、そして、円高ユーロ安となれば、ユーロ円売りを決済していく。
以上を繰り返す単純な手法です。
※堅実にトレードするために注文単位も100~300ユーロ単位でトレードしています。
他のFX口座ですと、1000ユーロ、もしくは、10,000ユーロ単位での取引となります。資金がない場合、小刻みなトレードがしづらいので、私はSBI FXトレードを使っています。
FX口座に入れる資金は初心者の方であれば10万円前後から始めるのが良いかと思います。目安はレバレッジを2倍以内に抑えることですね。
1000ユーロ単位(1回当たりの取引規模が12万円前後)でも資金的に問題がなければスペックの高いみんなのFXが良いでしょう。
ユーロ円売りにおすすめのFX口座は?
では、改めて円高に備えた投資としてユーロ円FXに適したFX会社はどこなのか、見ていきましょう。
ユーロ円FXの主要なFX会社のスペック一覧です。
FX会社名 | ユーロ/円 | 売りスワップ | 最低取引通貨単位 |
SBI FXトレード | 0.49銭* | -40円 | 1 |
MATSUI FX | 0.5銭 | -42円 | 1 |
みんなのFX | 0.4銭 | -50円 | 1,000 |
LIGHT FX | 0.4銭 | -50円 | 1,000 |
GMOクリック証券 (FXネオ) | 0.5銭 (原則固定) | -45円 | 10,000 |
DMM FX | 0.6銭 | -45円 | 10,000 |
インヴァスト証券 | 0.5銭 | -45円 | 1,000 |
セントラル短資FX | 0.97銭 | -55円 | 1,000 |
マネーパートナーズ | 0.7銭 | -118円 | 100 |
JFX | 0.6銭 | -55円 | 1,000 |
OANDA Japan | 0.7銭 | -117円 | 1 |
ヒロセ通商 | 0.4銭 | -55円 | 1,000 |
*ただし、取引数量によって変化
上記比較表のマイナススワップの金額は10,000通貨保有したときに得られる1日のスワップの金額です。ただし、スワップの金額は変動しやすいため、上記数字はあくまで目安と考えてください。
GMOクリック証券(くりっく365)は安定してスペックが高いです。
ただし、10,000通貨からしか取引ができませんので、レバレッジをかけないためには資金力がある方に限定されますね。
おすすめはSBI FXトレードです。
私も使っていますが、1通貨から取引ができるため、300ユーロずつ売るといった投資法が可能です。少額から始めたい人はこちらでいいでしょう。
SBI FXトレードの評判はとてもよく、システムも安定しており、スプレッドも小さいですね。
また、1,000通貨単位でも問題がなければ、みんなのFXがおすすめです。
ユーロ円売りのスワップもプラスでかつ、ドル円スワップやメキシコペソ等の新興国通貨でもスワップが高くなっています。
口座開設は以下よりどうぞ
⇒SBI FXトレードで円高対策ユーロ円売りを始める
円高対策ユーロ円売り実践結果
では、実際にユーロ円売りで円高対策した結果をご紹介します。
本当に円高対策ができたのでしょうか?
実際の約定履歴を公開しています。
+ボタンで開いて参照ください。
現在の残高照会(2021年6月24日更新)
現在の残高も公開しています。
(2021年6月24日時点 ユーロ円売りFX残高)
現状は金融緩和による、円安、リスクオフ相場、ユーロ円は一時134円まで上昇。
含み損が増え続けるのに少し焦りましたが、ルール通り、しっかり仕込みました。
その後、少し下がり132円台。暴落は定期的に起きますので、チャンスをスワップを貯めながらじっくり待つターンとなっています。
米ドル円買い、ユーロ円売りの両建てが結果を出せています。(追記)
上記の残高照会でもわかる通り、ユーロ円売りと併せて、米ドル円買いも行っています。
米ドル円買いとユーロ円売りの両建てのような感じとなっています。
これで、円高になったときはユーロ円売りを決済しつつ、米ドル円買いを行い、逆に円安になったときには米ドル円買いを決済し、ユーロ円売りのポジションを増やしていく、平常時は両通貨ペアのスワップを稼ぐ。
という感じで、相場がどの方向に向いても堅実に稼げるトレードを実践しています。
米ドル円(USD/JPY)買いとユーロ円(EUR/JPY)売りの両建てですので、ユーロドル(EUR/USD)の売りと一緒だろうと思われますが、完全に両通貨ペアを同額にして両建てするわけではありません。
円高の時は米ドル買いのポジションを多くして、円安の時はユーロ円売りのポジションを増やすという感じで裁量も加えていくことで、より、利益を増やすことができると思い、実践しています。
詳しくは以下の記事をご参考に
参考:FX両建ては「ドル円買いとユーロ円売り戦法」の方がおすすめできる。
円高に備えた投資まとめ 今後の方針
以上、円高に備えた投資としてFXでユーロ円売りをする方法を実践、結果を報告いたしました。
まとめると…
-
- いつまたリーマンショック時のような円高になるかわからないので円高に備えた投資をしたい
- しかし、FXでドル円を売るとマイナススワップが発生してしまう
- いつ円高になるかわからないため、長期のドル円売りはコストがかかる
- ドル円とほぼ相関関係にあるユーロ円売りならマイナススワップが発生しないので円高に備えた投資としてはユーロ円売りがおすすめ
- 堅実に長期投資するためにはレバレッジをかけないようにする。ロスカットされてしまっては意味がない。
- 例えば口座に10万円入金したらその資金の範囲内(200ユーロずつ売る等)で投資する
- 円安になったら売りポジションを増やし、円高になったら少しずつ決済し、それを繰り返す
- FX口座は少額単位で投資できるSBI FXトレードがおすすめ。資金的に問題がなければみんなのFXで。
以上の通り、ユーロ円売りFXであれば、スワップを受け取りながら円高になるのを待ち、円高時に利益を得ることができます。
今後、ユーロがどのような位置づけになるかわかりませんが、現在のところ、円の方が安全資産とされているため、世界経済が不穏になったときは円高ユーロ安になると想定されます。
今後も円安となれば売りポジションを増やし、円高になったら少しずつ決済することを続けてコツコツ利益を得ていきたいと思います。
以上、あくまで私の投資結果を報告したものであり、参考程度にとどめ、投資は自己責任でお願いしますね。少しでもお役に立てれば幸いです。
口座開設は以下よりどうぞ
⇒SBI FXトレードで円高対策ユーロ円売りを始める
※動画と音声でも解説しています♪