★ドイツ銀行は破綻の可能性が浮上し、ドイツ銀行の株価が暴落しています。
ドイツ銀行は米での住宅ローン不正取引の訴訟で140億ドル(1兆4000億円)の莫大な請求を受けており、これについてドイツのメルケル首相は「ドイツ銀行を救済しない」とコメントしており、波紋を呼んでいます。
さらに2018年6月にはストレステスト不合格となり、再び破たんの可能性が騒がれています。
そして、2020年3月のコロナショック。
このドイツ銀行の経営破綻・株価暴落は投資のチャンスか?回復する可能性があるのか?
今後の見通し、投資戦略やドイツ銀行の株を買う方法について検証しました。
目次はこちら
ドイツ銀行経営危機で株価が暴落 コロナショックで債務不履行?
ドイツ銀行はアメリカの住宅ローンに関する不正取引について訴訟を受けており、アメリカの裁判でドイツ銀行に対し140億ドル(1兆4000億円)の支払が確定しました。
いくらドイツ銀行とはいえ、140億ドルも支払こととなると、多大な損害となり、経営危機になります。
そして、極め付けとして、今回の件についてドイツのメルケル首相は「ドイツ銀行は救済しない」とコメントしており、ドイツ銀行経営破綻の可能性が高まっています。
参考:ドイツ銀行が破綻危機…市場が怯える「ABCDショック」(日刊ゲンダイ)
この件で、ドイツ銀行の経営が不安視され、2016年に入り株価は下落していましたが、8月には破綻危機の可能性が浮上し株価が大きく下落しています。
その後はしばらく落ち着いていたのですが、2018年6月末にかけて大きく株価を下げています。ドイツ銀行がストレステスト不合格となったと報道されたのをきっかけとして再び最安値を更新しています。
参考:ドイツ銀米部門がストレステスト不合格、内部管理に不備-FRB
(ドイツ銀行2020年3月13日現在株価 Bloomberg:Deutsche Bank AG)
特にメルケル首相はドイツ銀行を救済しないと発言が波紋を呼んでいます。
ドイツ銀行の破綻が現実になるとリーマンショック級の経済不安が世界を襲うことになります。
2020年3月コロナショックで債務不履行の可能性
さらに事態は悪化しています。
コロナショックの影響で世界恐慌が起きつつあります。
ドイツ銀行<DBKGn.DE>は、来月末に償還可能になる債券の返済オプションを行使しない方針。新型コロナウイルス感染拡大を背景とする最近の市場の混乱を受けた決定で、他の銀行が追随する可能性がある。
来月末(2020年4月末)に期限の来る借金を返さないということ。
また、ちょっとオーバー、誤解を招くのですが、「ドイツ銀行の破綻で世界中の経済が狂い始める」の記事では、ドイツ銀行がデフォルト(1200億円)の社債(CoCo債:破綻しても謝れば、返さなくてもいい契約)を払えず、実質破たんしたと書かれています。
しかし、現在のドイツ銀行の株価を見てみますと
(参照元:ドイツ銀行株価 YahooFinance)
下げてはいるものの、大暴落、ストップ安にはなっていません。
また、ドイツ銀行が本当に破綻が書くてしたのであれば、日経平均やNYダウはもっと暴落してるはずです。
「ドイツ銀、償還可能な債券の返済オプション行使せず 市場混乱が影響」こちらの記事にある通り、ドイツ銀行は償還可能なCOCO債を放棄したとあります。ですが、これは返済を延期することが可能な債務であり、破たんというわけではないですね。
正直、まだよくわかっていませんが、まだ、余裕があるのではないかと思います。
ただし、「独メルケル首相「金融危機超える異常事態」国民に対策呼びかけ」の記事にある通り、緊急事態であることに変わりはありません。
さらなる暴落があると思われますので、投資は慎重に行うようにしましょう。
私も引き続き調査します。
ドイツ銀行は本当に破たんするのか?
では、本当にドイツ銀行は破たんしてしまうのでしょうか。
市場では現在のところ、破綻確定の可能性は低いと判断しています。
ドイツ銀行の株価も大きく下がっていません。
ただ、リーマンショック時も同様に政府が救済しないことが確定したことで始まりました。
救済しないと世界経済に甚大な被害が及び、ドイツにとってもなんのメリットもありません。
救済しないと言いつつ、結局救済するというのが、大勢の意見だと思いますが、何が起こるかはわかりません。
2020年3月、コロナショックで世界恐慌が始まろうとしています。
ドイツ銀行を救済する余裕がなくなり、破たんし、第二のリーマンショック、長期不況が始まることも視野に入れておいた方がいいでしょう。
ドイツ銀行株を買う方法とは ドイツ銀行の株は買い時か?空売りすべきか?
現在のところは世論の予想ではドイツ銀行は何らかの形で救済され、株価暴落は一時的なものであるという見方が強いです。
とすると、このドイツ銀行の株価暴落はバーゲンセールのようなもので、買いのチャンスであるとも考えられます。
ただし、米国株とは違い、欧州株は大手証券会社でも取り扱っていません。
では、ドイツ銀行の株を買う方法はないのか?
これについては「VW(フォルクスワーゲン)の不正問題」のときにも取り上げましたが、サクソバンク証券のCFD口座、または海外株口座であればドイツ銀行株を売買することができます。
以下の通りサクソバンク証券の海外株口座、CFD口座ではドイツ株を多数取り扱っており、ドイツ銀行株も取り引きできます。
この「Deutsche Bank AG」というのがドイツ銀行のことです。
サクソバンク証券はドイツ銀行の株を取扱っています。
また、CFDであれば空売りも可能です。
空売りとは株を借りてきて売り、また安くなったら買い戻して返済するというイメージで、売りから取引に参加することを言います。
空売りはこれから株価が下がると思われる銘柄にします。
ドイツ銀行が救済されないことが確定すれば、さらに株価が暴落することが予測されますので、空売りしておくと大きな利益を得る可能性があります。
現在のところドイツ銀行株も空売り規制はされていませんので、空売りが可能です。
CFDはFXの株式・商品バージョンといった感じですので、FXをしている人にとっては取り組みやすいですね。
ただ、いずれにしてもリスクの高い投資になりますので、上級者以外は手を出さないようにした方が賢明ですね。
現物で買うなら海外株口座で、レバレッジをかけたり(5倍まで)空売りをするならCFD口座をお使いください。
ドイツ銀行株はいくらから買えるのか?
では実際に海外株口座、CFD口座でドイツ銀行の株を買いたい場合、最低いくら必要なのでしょうか。
CFD口座の手数料
サクソバンク証券のCFD口座は現物株式はレバレッジが5倍まで(証拠金維持率20%)で取引ができます。
サクソバンク証券は1株から取引ができ、ドイツ銀行の株価が現在約12ユーロで1ユーロ110円とすると、約1320円から取引をすることができます。レバレッジを5倍にすれば264円(1320円÷5)からでも取引ができます。
手数料は0.2%と安いのですが、最低手数料が12EUR≒約1,560円もかかりますので、1株といった少額で取引するのはあまりおすすめできません。短期売買よりも長期が向いていると思われます。
海外株口座の手数料
2018年より始まったサクソバンク証券の海外株口座では売買手数料0.1%、最低手数料は12ユーロです。
(サクソバンク証券公式サイトより抜粋)
手数料負担を考えると、こちらも、1回の取引は20万円以上で取引することがおすすめですが、もちろん、1株単位でも取引可能です。
ドイツ銀行が本当に破綻してしまったらどうなるのか?対策方法は?
さて、この記事を書いたのが2016年でしたが、その後、2019年7月でも、またドイツ銀行の破綻問題が再燃しています。
そして、2020年3月のコロナショックです。
依然として、市場はドイツ銀行破綻の可能性はまだ低いとみています。
恐らくドイツ銀行が破綻してしまうと、被害はリーマンショック以上のものとなってしまいますので、ドイツ政府共々、救済はしていくと思います。
しかし、絶対はありません。
リーマンショック時も救済されると思っていたものが覆されたため、あれだけの市場の混乱が起きたわけです。
では、もし、仮にドイツ銀行が本当に破綻してしまったらどうなるのか。
リーマンショック級の大暴落、円高・株安トレンドが予想されます。
そのため、念のために、何か対策しておくことはできないか?考えてみました。
①:ドイツ銀行の株を空売りする
上述した通り、「サクソバンク証券のCFD口座」であれば、ドイツ銀行株も空売り可能です。今現在も株価は低いですが、さらに下がることになりますので、空売りできれば、利益を得ることができるでしょう。
しかし、空売りにはコストがかかります。空売りも長期保有すればするほど、ロールオーバーコストがかかりますので、仮にドイツ銀行が破綻しなかった場合は資産を減らしてしまうことになります。
また、逆に破綻問題が解決して、株価が上がってしまうと、空売りしていた場合は損失を拡大してしまいますので、リスクが高く個人的にもイマイチかなと思います。
同様に、他の関連する国内銘柄や株価指数を空売りするのも難しいですね。
②:VIX等の恐怖指数に投資をしておく
投資家の恐怖指数、ボラティリティに連動する商品先物VIXに投資しておくという手もあります。VIXは投資家の恐怖指数、つまり、株価が暴落すると数値を上げる指数です。
ですので、ドイツ銀行が破綻した場合、このVIX指数も大きく上がるというわけです。
VIX指数先物というものがあり、それに連動する「米国VI」や「ETFVIX短期先物1552」というものがありますが、いずれも対策にはいまいちと考えています。
なぜなら、これも保有コストがかかるからです。
ドイツ銀行が破綻せず、安定相場が続くと、VIXはどんどん価格を下げてしまい、こちらも資産を減らす結果となるからです。
③:FXでユーロ円売り
個人的にもこれをやっているのですが、FXでユーロ円売りをしておくという手法です。
ドイツ銀行が破綻となり円高となれば、現在ユーロ円の価格が120円ほどですが、これが100円割れ、90円、80円となる可能性が高いからです。
そのため、円安の今のうちにユーロ円売りをしておけば、仮にドイツ銀行ショックがった時、利益を得れる可能性が高いというわけです。
特にドイツ銀行はEU経済の中核ですから、ユーロが暴落する可能性は高いわけですね。
なぜ、ドル円ではなく、ユーロ円かといいますと、それは、ユーロの方が金利が低く長期保有していても僅かですがスワップ金利を得ることができるからです。
ドイツ銀行が仮に破綻せずに長期保有することとなったとしても、スワップ金利を得ることができるので、むしろプラスになるというわけですね。
ユーロ円売りの手法は詳しくは「円高対策、株安対策の投資としてユーロ円売りFXは正解でした。」の記事をご覧になってください。
ただ、ユーロ円売りは暴落してもそこまで落ちませんので、利幅が少ないというデメリットはあります。まあ、多く資金を投入すればいいのですが・・・。
ドイツ銀行の株価暴落は投資のチャンスか?ドイツ銀行の株を買う方法 まとめ
以上、ドイツ銀行の経営破たんの可能性、今後の見通し、ドイツ銀行の株を買う方法について検証してみました。
まとめますと
- 現在のところドイツ銀行経営破たんの可能性は低い
- 株価は回復する可能性があるので投資のチャンスとも考えられる
- ドイツ銀行の株はサクソバンク証券のCFD口座で取引可能
- CFDなら空売りも可能なので株価が下落すると予想するなら空売りもあり
- ドイツ株価指数連動銘柄に投資するのもあり
- いずれにしてもリスクの高い上級者向けの投資
今後、ドイツ銀行破たん問題がどう動くか、常に注意が必要です。
投資のチャンスとも考えられますが、リスクの高い取引です。海外株は上級者向けの取引ですので、充分にご留意ください。
以上、あくまで個人的な見解です。参考程度にとどめ、投資はくれぐれも自己責任でお願いいたします。
ドイツ銀行の株私は野村証券で買って持ってますが・・・。勿論現物です。