★IG証券は2016年4月に遂にブラジルレアル円(BRL/JPY)のFXを開始しました!
政策金利14%超とリスクのかなり高いブラジルレアルですが、実際のところ投資するメリットはあるのか?検証してみました。
政策金利が2016年3月には14.25%にも上がっているブラジルレアルですが、今まで国内の証券会社、FX会社からは良い投資方法がありませんでした。
ブラジルレアルの外貨預金は確かに取り扱っているところもありますが、手数料は高く、金利も1%~5%ほどと、メリットがほとんどない投資商品しかありません。
また、IG証券はブラジルレアルと米国ドルのFX(BRL/USD)を取り扱っていたのですが、1単位当たりの取引ボリュームがあまりにも大きく、個人投資家におすすめできる商品ではありませんでした。
参考:ブラジルレアル外貨預金とFXを比較検証【ブラジルレアル(BRL)に投資する方法】
よって、ほとんど諦めていたブラジルレアルへの投資ですが、ここにきてついにIG証券がブラジルレアル円のFX取引を開始し、可能性が広がりました。
では、実際のところ投資対象としてどうなのか、検証してみました。
目次はこちら
ブラジルレアルの為替の推移、政策金利について
ブラジルはルセフ大統領退陣問題などで国内情勢が混乱しています。まずはブラジルレアル円の為替の推移を見てみましょう。
ここ10年間のブラジルレアル円の為替相場です。
リーマンショック時には35円台と安値を付けたのちは50円台まで回復していますが、2016年には27.7円と、リーマンショックよりもさらに価値が下落しています。史上最安値となっています。
そして政策金利も2009年の12.75%を上回り2016年には14.25%と高値圏となっています。
参考サイト:ブラジルレアルの政策金利と推移
日本がマイナス金利政策を推進する中、14.25%もの金利はかなり魅力的な利回りです。急落リスクもありますが、ハイリスクハイリターンな通貨で投資の需要も高まっています。
世界トップクラスの政策金利、投資としての需要はあるものの・・・
しかしながら、上述した通り、今まではブラジルレアルの投資市場がいまいち整備されていませんでした。
新生銀行等でブラジルレアルの外貨預金が一応は取り扱っていますが、普通預金では金利は1%もつきませんし、定期でも5%ほどです。一方、手数料は約3%もかかってしまうというもので、決してお勧めできるものではありません。
当サイトでも外貨に投資するのに外貨預金はお勧めできないことは散々お伝えしています。
参考:外貨預金より断然FXがおすすめ【銀行・証券会社が提供している外貨預金には手を出すな】
では、FXはどうかというと、ブラジルレアルのFXはIG証券で米ドル建て(USD/BRL)を取り扱っていました。しかし、1lotの規模が大きく、約4千万円ほどの取引規模になってしまい、とても個人投資家では手を出せるものではありませんので、おすすめできていませんでした。
調査したところIG証券以外ではブラジルレアルのFXを取り扱っている会社はなく、ブラジルレアルに投資する方法は断念していました。
そんな中、遂にIG証券がブラジルレアル円のFXも取扱を開始し、ブラジルレアルへの投資の道が開かれたようです。
IG証券がブラジルレアル円FXの取り扱いを開始!スワップは高いのか?
では、IG証券のブラジルレアル円FXの実際のところスペックはどうなのでしょうか。個人投資家でも投資できる商品になっているのでしょうか。
➢最小取引通貨単位について どのくらい資金が必要なのか?
まずこれが一番気になるところですが、IG証券のブラジルレアル円取引では0.1lotから取引をすることができます。IG証券での1lotは100,000通貨ですので、10,000通貨から取引ができることになります。
10,000BRLですが、1BRLを30円とすると300,000円となります。
最低取引単位で1度取引をすると30万円分の投資をすることになります。
これであれば個人投資家の方でも手の届く範囲ですね。
一応レバレッジは25倍までかけることができるので、300,000円÷25倍=12,000円となります。まあレバレッジギリギリで取引するのはお勧めできませんが、最低でも1~2万円からの資金でブラジルレアルFXを始めることができるというわけです。
当然、30万円口座に入れておけばレバレッジをかけずに投資をすることも可能ということですね。
➢スワップについて
スワップは日々変動しますが、2016年4月時点では買いスワップが最低取引通貨単位の10,000BRLあたり、1日82円となっています。
ブラジルレアルが1年間ずっと30円/BRLをキープし、スワップが82円だったと仮定すると。
投資額:10,000BRL×30円=300,000円
年間スワップ:82円×365日=29,930円
仮に年間利回りを計算すると
29,930円÷300,000円=9.99%
10%近くもの利回りとなり、ブラジルレアルの高金利のメリットを享受できると言えます。
もちろん、スワップや為替相場変動しますので、上記の算定式は机上の空論なのですが、参考情報にはなるでしょう。
➢スプレッドについて
では、FXの手数料であるスプレッドはどうなのでしょうか。
少しわかりにくいですが、ブラジルレアル円の標準スプレッドは5pipsとなっており、1pipsあたりの損益額が1,000円となっています。これが5pipsなので、スプレッドは100,000BRLあたり、5,000円ということなります。
つまり、スプレッドは5,000円÷100,000BRL=0.05円=5銭ということになります。
まあFXにしては安くはありませんね。小刻みに値幅を刻んでスキャルピングするような通貨ではないことは確かです。
0.05円ということで30円に対しての割合は0.16%のコスト負担があるという感じですね。
投資をするにしても大きな値幅を中長期的に狙うというのが適しているでしょう。
以上の点から、ブラジルレアル円FXは個人投資家でも十分投資できますし、スワップも高く、リスクは高いですが、魅力的な投資対象と言えそうです。
リスクを抑えるなら1,000通貨から投資できるトルコリラのほうが堅実!
上記の通り、ブラジルレアルの高スワップは魅力的で、投資対象としても大きな欠陥はありませんでした。
ただ、スワップの高さだけを目的とするのであれば、トルコリラも8~10%ほどのスワップがありブラジルレアルに匹敵します。
参考記事:トルコリラFXで堅実にスワップ金利収入を稼ぐ方法を検証しました。
ですので、単純に高いスワップだけが欲しいのであれば、トルコリラのほうが良いかなと思っていましたが、最近、トルコリラが急落しており、リスクが高まっています。また、スワップも下がっていてブラジルレアルよりパフォーマンスが落ちています。(2017年2月現在)
さらにスワップは下がりますが、南アフリカランドの方が現在は価格が落ち着いているようです。
スワップだけが目的なのか、それともブラジル五輪などでブラジルレアルが高騰することを期待するのか、トルコリラが急落する危険性を避けるのか、といったことを考慮して投資判断する必要がありますね。
ブラジルレアル円FXは投資する価値があるか?まとめ
以上、IG証券ブラジルレアル円FXについての投資について検証しました。
まとめると
- BRL/JPYは10,000通貨から投資できる
- 1BRLを30円と仮定すると最低約30万円の投資と個人でも手が届く
- レバレッジをかければ1万~2万円から投資が可能
- スワップも高く年間10%近くの投資パフォーマンスが期待できる
- スプレッドも5銭とそこまで高くはない
となり、投資対象としても大きな欠陥はなく、高いスワップ金利を享受できるのではないかという印象です。
ただ、上記の通り、ブラジルレアルは10,000通貨からしか取引ができないので、それなりに資金が必要です。
そこで、高スワップ狙いだけで少額から投資したいのであれば1,000通貨から投資できるトルコリラのほうがいいでしょう。
結論としてはブラジルレアルはまだスワップ狙いのFXとしては投資する価値はなく、スワップ狙いであればトルコリラや南アフリカランドで投資しておけばいいということになります。
ただ、トルコもブラジルレアル同様ISISとの戦闘等、情勢がまともではないため、急落リスクは高まります。
ブラジルレアルも大統領退陣などでさらなる急落リスクはありますが、ブラジルにはオリンピックがあります。今後、政局が安定し、リオデジャネイロオリンピック時にはブラジルレアルが急騰するかもしれません。そのチャンスを狙って投資をするのも一つかもしれませんね。
いずれにしてもリスクの高い投資になりますので、リスクを十分に理解し、投資は自己責任でお願いいたしますね。
※トルコリラスワップ投資についてはこちら
⇒トルコリラFXで堅実にスワップ金利収入を稼ぐ方法を検証しました。
※南アフリカランドスワップ投資についてはこちら
⇒南アフリカランド円FXを2年半続けて感じたリスクとメリットについて