スワップ金利利回り20%超!どんどん人気をあげているトルコリラ
果たして本当にこのまま投資を続けて良いのか?
実際に2016年からトルコリラに投資を続けてきて実感したリスクと本当に利回りについて書かせていただきます。
目次はこちら
トルコリラに投資したきっかけ
私がトルコリラに投資したきっけは、やはりスワップ金利の高さです。
トルコリラ以前から南アフリカランドのFX投資をしていて、スワップ金利の魅力を知っていましたので、トルコリラも同様に投資してみようと思いました。
2016年当初でも利回りは10%ほどありましたね。
当時、トルコリラを取り扱っているFX会社も少なかったですが、ヒロセ通商が取り扱っており、スワップも高く、使いやすそうだったので、投資を始めました。
最初に約定したのは2016年1月ですね。
1lot=1,000リラ です。
2016年1月4日に41円で約定したのが最初ですね。現在も保有しています。
参考:トルコリラFXで堅実にスワップ金利収入を稼ぐ方法を検証しました。
ずるずる下がるトルコリラナンピン買いを続ける。そして現在の状況
2016年1月からトルコリラに投資初めてどうなったのか?
それは皆さんもご存知の通りかと思います。
一貫して、ずーっと下がっています。
投資を始めた2016年の40円から15円までの大暴落。
レバレッジは2倍以内に抑えていますのでロスカットはありませんが、含み損がどんどん増え続けています。
まあ、リスクの高い通貨だから、こういう暴落はあるけど、いつか戻ってくるだろうと思っていました。
しかし、2018年、2019年になってもさらに下がるのみ。下落トレンドがずっと続いています。
現在のトルコリラのポジションですが(2019年4月26日時点)
- ポジション:買い96lot(96,000リラ)
- 平均約定価格:30.835円
- ポジション損益:-1,163,871円
- 未実現スワップ:649,999円
- 評価損益:-513,872円
と、スワップ金利も確かに多いですが、それ以上に含み損が大きくなっており、マイナス50万となっています。
3年半投資を続けていますが、一度も利確できていないというわけです。
トルコリラをFXで3年半投資し続けてわかったこと
利回りが高いはずのトルコリラを3年半投資した結果、今のところ含み損の方が多いです。1円も利益が上がっていません。
これはただ、運が悪かっただけなのか、と思いましたが、一概にもそういいきれません。
実際にトルコリラに3年半も投資し続けて気づいたこと、また、最近のトルコリラFX人気の過熱ぶりについて思っていることを書きたいと思います。
①実質利回り、期待値が低い
トルコリラに3年半投資した結果ですが、上述した通り、1円も稼げていません。
それどころか含み損がスワップを大きく上回っており、今、決済したらマイナスです。
つまり、3年半投資して、利回りはマイナスというわけです。
そして、仮にトルコリラが回復して25円付近まで戻った場合、私のポジションは含み益が出てくるのですが、それでも、とんとんです。利回り0%です。
日本の普通預金に預けていた方がまだ儲かっていたという状態です。
つまり、表面利回りは20%でも、実質利回りは0%以下ということです。
これは確かに結果論ですが・・・結果が全てですよね。
東洋経済の記事をみると裏付けもあります。
トルコの物価が20%上昇し、日本の物価がほとんど変わらない場合、単純化すれば相対的購買力平価からトルコリラは20%下落することになります。
トルコはインフレ率が15%、現在は20%(参考:トルコ、インフレ20%台続く)にもなっています。
つまり、金利以上にインフレが起きてしまうので、通貨価値はどんどん下がっていくというわけです。
参考:トルコのインフレ率の推移
実質利回りは0%以下、期待値はかなり低い通貨であったことがわかりました。
もちろん、最近の暴落は米国との関係悪化によるもああり、インフレ率以上に下がっているので、改善の可能性はありますが・・・。
②米ドルに投資したほうが良かった
トルコリラに充てるお金をすべて米ドルに投資しておけばよかったと思います。
トルコリラのために証拠金は300万くらい充てていますが、これをすべて、米ドルに投資しておけば、2倍くらいになったのではないでしょうかね。
米ドル円チャートを見てみましょう。
これが10年チャートです。
3年でも見てみましょう。
2016年~2019年まで100円~120円の幅で動いています。
トルコリラとは比べ物にならないくらい安定しています。
そして、大事なことは米ドルは一度暴落しても基に戻っているということです。
トルコリラは40円から暴落しても40円に戻ることはもう一生ないんじゃないのかというチャートをしていますが、米ドルは違いますね。
確かに米ドル円のスワップ利回りは低いです。2%前後とトルコリラと比較しても小さくなります。
しかし、米ドルは決済利益を得ることができます。
仮にトルコリラに充てた300万円の証拠金を米ドルに充てておき、レバレッジ2倍以内で運用しておけば、この3年間、何度も決済利益を得ることができたはずです。
直近では2019年のフラッシュクラッシュ時に104円で買っておき、112円あたりで決済すれば、約10%の利益を得ることができるというわけです。
スワップ金利は確かに低いですが、実質利回りはすごく高いわけです。
これは、今後もそうでしょう。
確かにドル円も70円台を経験していますが、それでもトルコリラのような40円から15円への50%超の下落ではないです。
しかも、もし米ドルがまた70円台になるようなことがあれば、トルコリラはもっと下がるわけですよね。
ですので、本気でFXで稼ぎたいなら、ギャンブル投資のトルコリラではなく、ドル円にすべきなのではないかということです。
私自身も2018年からそのことに気づき、米ドルに投資をしていますが、明らかに成果が出ています。
③スプレッドが大幅に広がりロスカットにあう
続いて、この3年間トルコリラに投資して経験したことです。
まず、トルコリラは暴落しやすいです。
そして、その暴落に乗じてスプレッドが大幅に拡大します。
そして、多くの投資家がロスカットされてしまっています。
チャート上はロスカットしない価格でも、スプレッドが1円とか広がってしまい、ロスカット狩りにあっているケースをよく見ました。
過去の最安値等を目安に、レバレッジをギリギリでトルコリラに投資しようと考えている人は注意が必要です。
④FX会社もしきりに利回りの高さを宣伝するようになる
ここ数年、本当にトルコリラの人気が上がりました。
一つにFX会社がしきりに宣伝しているのが理由かもしれません。
A社
B社
C社
D社
決して悪いことではないですが、念のため社名は伏せています。
こう見ると、いかにもトルコリラは金利がすごく高く、美味しい投資だと思ってしまいますよね。
ただ、リスクについては全面には書かれていません。また、スプレッドが大幅に拡大することもです。
単なる私の推測ですが、なぜこれだけFX会社がトルコリラを進めるのかというと・・・
“FX会社が儲かるから”
これに尽きると思います。
トルコリラはスプレッドは元々広いというのもありますが、それよりロスカットのリスクが高いです。
また、日本のFX会社はDD方式が多く、顧客が負けてくれるとFX会社が儲かるという仕組みをとっている会社もあるようですから。いわゆる呑み業者というものですが。
どんどん負けやすい、ロスカットさせやすいトルコリラに投資をさせて、利益を得ようとしているのかもしれません。
やはり、顧客とFX会社の利益が相反する仕組みは個人的にも嫌だなあと思いますね。
まあ、このあたり、確証はありません。しっかりやっているFX会社もありますので。ただ、ロスカットすると、ロスカット手数料も高いですから、いずれにしてもFX会社にはプラスになると思われます。
⑤投資ブロガーも利回りの高さを宣伝するようになる
ここ数年で投資ブロガーもトルコリラ投資をしきりに推すようになっています。さらには異業者両建てというのも流行っているようですね。
参考:トルコリラスワップサヤ取り(異業者両建てFX)はおすすめできない理由
これも同じで、FX会社が儲かるということは紹介者も儲かるということです。
そして、ブロガーは個人の感想的な感じで規制がほとんどありませんので、レバレッジをかけた利回りを紹介したりして、ユーザーの射幸心を煽っている記事が目立ちます。
私も投資ブログをしていますので、なんともいえませんが、やはり、やりすぎは良くないですね。
恐らく、投資ブロガーの方は本当にトルコリラが利回り20%で美味しい投資と思って、自分でも投資している人もいると思うので、それは自己責任になるのですが。
上述した通り、期待値は低いです。
ですので、影響力のあるブログやツイッター等でトルコリラはいかにも稼げるように宣伝しすぎると、顧客の被害が増え、クレームが増え、業界そのものが悪化してしまいますので、しっかりと調べて本当のことを書くようにしてほしいです。
ものすごく人気のトルコリラ、しかし、本当に稼げるのか?
さて、長々と書いてしまいましたが、トルコリラは本当に稼げるのか?ということですが・・・
確かに稼げる可能性はあります。
私のように無限ナンピンを続ければいつかはプラスになるでしょう。
私は南アフリカランドも投資していますが、実際、投資を続けてプラスになりました。
南アフリカランドのチャートを見てみましょう。
このように2016年に6円台になったものの、2018年に一度9円に戻っていますので、トータルでもプラスになっています。
しかし、また7円に下がっていますね。
ただ、これも正直運が良かっただけだと思います。
そして、南アフリカランドも塩漬けの期間が長いので、実質利回りは果たして5%を超えているのかというの何とも言えませんね。
つまり、南アフリカランドに充てていたお金をすべて米ドルに投資しておけば、米ドルの方が稼げていたというのは事実でしょう。
では、改めてトルコリラのチャートを見てみますと。
さすがに下がりすぎのようにも思えます。15円が底値でまた30円くらいまで戻る可能性もあるでしょう。
南アフリカランドのように回復してくれるかもしれません。
ですので、今から投資するというのは一つ面白いかもしれません。
今、投資すればスワップ金利+為替差益も大きく得られるかもしれません。
しかし・・・ギャンブルです。
リスクは金利24%に現れていますよね。
つまり、暴落する可能性も高いということです。
それでも、上がれば、トルコリラは最高!投資して良かった!と多くの人が言うようになるでしょう。
しかし、それは本当に運の要素が強いです。
何か、トルコリラの裏情報を知っていて投資するなら別として、なんとなく、個人ブログやチャートを眺めて買っている人は要注意です。
ここで、トルコリラで買ってしまった場合、さらにジャンキーな投資に手を出していくことになり、結局、トータルではマイナスになってしまう可能性が高いということを私は伝えたいです。
やはり、ウォーレンバフェットの言う通り
“すぐに簡単に金持ちになろうとするのは貧乏脳”
“誰かが儲かるといった投資は手を出すな”
これにつきます。
目を覚まして堅実投資をしよう
というわけで、半ば愚痴のような感じになってしまいましたが、トルコリラのリスク、そして、実質利回り、期待値は低いことはご理解いただけましたでしょうか。
もちろん、トルコリラはリスクの分、高いリターンの可能性もあります。
現在暴落している理由が米国との関係悪化によるもの、エルドアン大統領によるものであれば、いずれ解消し、高騰する可能性もあります。
ですので、投資をするのをやめろとまでは言えません。
ただ、メインの投資にはおすすめできません。
やはり、金持ちになる人はギャンブル投資ではなく、堅実にコツコツ投資をしています。
短期的な儲けではなく、長期的にトータルでプラスになるように、引き続き堅実投資を続けていきましょう。
当ブログも何かプラスになればと思い、引き続き更新していきます。
※トルコリラの今後の出口戦略
⇒トルコリラFXスワップ投資の損益状況
塩漬けとなっているトルコリラをなんとか脱出させるべく、損益の状況、経過を記録していくことにしました。