★政策金利が10%を超えているブラジルの通貨レアルの外貨預金について各取扱銀行の金利と手数料を検証してみました。ブラジルレアルは資産運用に適した投資なのかについても検証しています。
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ブラジルレアルの政策金利 為替の推移について
まずは各国の政策金利をみてみましょう。(2016年6月時点)
- ブラジルレアル(BRL):14.25%
- トルコリラ(TRY):7.75%
- 南アフリカランド(ZAR):7.00%
- 中国元(CNY):4.35%
- ニュージーランド(NZD):2.25%
- オーストラリア(AUD):1.75%
- 日本円(JPY):0.1%
ブラジルレアルは14.25%と政策金利がなんと10%を超えています。日本の0.1%と比較するとかなりの差です。ブラジルの国家情勢、通貨安対策などで政策金利がここまで高まっています。
では次にブラジルレアルの為替の推移を見てみましょう。(2015年時点)
1BRLあたり40円~60円を推移していましたが、2015年に入り、40円を割り込んでいます。現在は歴史的に見ても円高レアル安になっており、政策金利が引き上げられていると考えられます。
追記:2016年6月時点
2016年に入りルセフ大統領退陣問題等で国内情勢が不安定となり、ブラジルレアルは30円を割り一時27円まで下げました。その後は30円台前半を推移しています。
ブラジルレアルの外貨預金の取扱銀行 金利・手数料を比較
ブラジルレアルに投資をするときにまず思うのが外貨預金です。これだけ金利が高いのでブラジルレアルの外貨預金をしてみたいと考える人も多いようです。
では、国内でブラジルレアルの外貨預金を取扱っている銀行をみてみましょう。
銀行名 | 手数料 | 普通預金 | 定期1ヶ月 | 定期3ヶ月 | 定期1年 |
じぶん銀行 | 0.9円 | 0.20% | 5.40% | 5.40% | - |
ソニー銀行 | 0.9円 | 1.00% | 6.00% | 8.00% | - |
楽天銀行 | 取扱なし | - | - | - | - |
関西アーバン | 取扱なし | - | - | - | - |
UFJ銀行 | 取扱なし | - | - | - | - |
三井住友銀行 | 取扱なし | - | - | - | - |
日本の銀行ではブラジルレアルを取り扱っている銀行は限られていますが、有名なところではじぶん銀行とソニー銀行が取り扱っています。普通預金はほとんど金利がつかないですが、定期であれば、3ヶ月で8%ほどつきます。政策金利には届かないまでも高金利ですね。
一見すると、ソニー銀行の定期預金であれば金利で利益を得ることができそうに見えます….
外貨預金はほとんどが元本割れ
では、実際の利回りを計算してみましょう。
ソニー銀行の定期預金であれば3ヶ月で8%の金利になります。年利8%ですので3ヶ月であれば2%の金利になります。手数料は1レアルごとに片道0.9銭かかります。現在の為替が1レアル40円程度ですので、約2.25%の手数料が片道でかかります。
つまり、金利よりも手数料が高く、預けるだけで元本割れします。
これでは為替変動リスクを背負いながら手数料を払うという、全く意味のない投資をしてしまうことになります。
そもそも、外貨預金というものは手数料が高く設定されています。金利は一見高く見えますが、期限のない普通預金は利率が低く、すぐ満期が来る定期預金しか金利を高く設定されていません。満期が到来するごとに手数料が発生しますので、外貨預金は銀行が美味しい思いをするだけなんです。決しておすすめできない投資商品です。
ブラジルレアルの外貨預金では高金利の資産運用には適していません。元本割れしてしまいますので、これであれば日本の銀行に預けていたほうがまだマシでしょう。
では、高金利の外貨に投資するという方法は資産運用には向いていないのでしょうか。
実は外貨預金ではなくFXを使えば手数料をかなり安くして高金利を得ることができます。
外貨預金ではなくFXを使ってブラジルレアルに投資、スワップ金利を得る
FXでも外貨預金と同じく、外貨に投資することができます。そして、通貨間の金利差であるスワップも毎日入金されます。すなわち、FXでも外貨預金と同様に金利を得ることができます。
また、FXには手数料がなく、代わりに買値と売値の幅であるスプレッドがコストになるのですが、FXは1日に何度も取引がされることが想定されているため、このスプレッドもかなり小さく設定してあります。
例えばドル円であれば0.29銭~となっており、外貨預金であれば1円かかる銀行もありますので、比較するとFXは100倍以上も手数料が安くなっています。
また、FXは外貨の定期預金のように期限がありませんので、ずっと保有しつづけることもできますし、24時間いつでも取引ができ、また、レバレッジをかけなければロスカットのリスクも外貨預金と同じまでに下げることができます。
参考:外貨預金とFXの違いとは【メリット・デメリットを比較しました】
このFXの特性を生かし、FXで高金利(スワップ)を得ることができます。
ブラジルレアルのFXができる会社 IG証券
ただ、ブラジルレアルのようなリスクの高いマイナー通貨のFXを取り扱っている会社は非常に少なく、現在は日本のFX会社ではIG証券が取り扱っています。
(IG証券オフィシャルサイトより抜粋)
FX口座を使ってレバレッジを低くし、外貨預金のように長期保有し、金利を稼ぎます。
IG証券は従来までは米ドルとブラジルレアル(USD/BRL)のクロス取引しか取り扱っていなかったのですが、2016年4月よりブラジルレアル円(BRL/JPY)の取り扱いを開始しました。
⇒IG証券がブラジルレアル円のFXを開始!スワップ金利はどれくらい高いのか?
いくらからブラジルレアル円FXをすることができるのか?
では改めてブラジルレアルのチャートを見てみましょう。
IG証券では最低取引通貨単位は10,000通貨(0.1lot)からになっており、現在ブラジルレアルが30~35円ほどであると考えると、約300,000円分からの取引できます。
レバレッジをかけないためには一つポジションを増やすごとに口座に300,000円ほど預けておけば良いというわけです。もちろんレバレッジを最大にかけるのであれば300,000÷25倍で約12,000円口座に預ければ始めることができます。もちろんハイリスクにはなりますが。
まとめると、レバレッジをかけずに堅実にブラジルレアルに投資をするのであれば最低でも300,000円前後はは口座に預けて置く必要があり、レバレッジ最大でハイリスクハイリターンな投資をしたいのであれば12,000円前後から始めることができるということです。
スワップ金利は高いのか?
スワップは10,000通貨あたり1日約80円前後でブラジルレアルが仮に30円で固定と考えると、利回りは9~10%ほどで、トルコリラと同じく(参考:トルコリラFXで堅実にスワップ金利収入を稼ぐ方法を検証しました。)、なかなか高くなっています。
10,000BRL×30円=300,000円
80円×365日=29,200円
29,200円÷300,000=9.733%
もちろんスワップは日々変動しますし、スプレッドもありますので、単純に利回りを計算することはできないのですが、他の通貨より高いスワップが入ってくるのは事実のようですね。ちなみにスプレッドも0.5円前後あり、他の通貨よりかは高めとなっています。
ブラジルレアル投資まとめ
ブラジルレアル円のFXはまだIG証券で取引が始まったばかりですので、実際どういったリスクがあるのか、見えない部分はありますが、今まで日本ではブラジルレアルに投資することがなかなかできなかったので、大きな前進と言えます。
また、ブラジルレアルは下落トレンドにあります。
今後政局が安定し、オリンピック景気などで上昇する要因はあるものの、急落リスクの高い通貨となっています。
ブラジルレアル円FXはスワップが高いとはいえ、リスクの高い通貨ですので、リスクを十分に理解し、自己責任で投資をするようにしてください。
IG証券のブラジルレアルについてより詳しい情報はこちら
⇒IG証券がブラジルレアル円のFXを開始!スワップ金利はどれくらい高いのか?